宝物
無事に一日を終え、みんな下校したあと、教務室で明日の準備を進めていた時のことです。1本の電話が鳴り響きます。
「伊澤さんのクラスの保護者の方からです」
なにか私は失敗をしてしまったか?
クレームが来たのか?などと内容を想像しながら恐る恐る電話に出ました。
すると
「伊澤先生ですか?下校は何時頃でしたか。まだ息子が帰宅していないんです。」
いやいや、待てよ。下校してもう一時間半は経っている。
帰っていないだと!?!?
気づいたら地図を取りだし、ヘルメットを持ち、自転車に股がってました。
慣れない土地を自転車で大捜索。周りの先生も来てくださって大捜索。
しかし全然見つかりません。
1時間半程探していたそのときでした。
見たことあるシャツが向かいの道路に!
いました!彼です!!
お家に送り届け、お家の人に先輩の先生が事情をせ説明してくださいました。
その際に私たちはもちろん1番心配したのはお母さんだという事を伝えたかったのでしょう。
「お母さんにとってあなたは宝物なんだから」
その一言を聞いて、なんだか心が凛としました。
この意味がまだ分からないかもしれないけれどいつか分かる時がくるでしょう。
そして、教員は宝物をお預かりしていることを心に刻んでおく必要があるなと感じました。
給食
昨日は給食の時間あまり上手くいかず準備も片付けも遅くなってしまいました。
そんな悩みを抱えて出勤し、ベテランの先生に相談をしました。
回答としてはやり方を変えてはどうだという提案をいただいたので少し考え方を変え、やり方自体を再編成していましたが、私自身なかなか納得がいかず、堂々巡りをしていたので昨日のやり方のまま今日もやってみよう。と思い、そのまま給食の時間になりました。
不安を抱えながら給食の前に、昨日上手くいかなかった点を子どもに伝えるとなんと子どもが勝手にルールを作り始めるのです。
度肝を抜かれました。
必死にルールのメモを取り、私から一言。
このルールは、みんなが幸せになれそうですか?
そしたら子どもたちは即答で「なります」と。
また度肝を抜かれました。
今日の給食は見違えるほどスムーズでした。
少しづつではありますがみんな意識が芽生えてきて嬉しかった1日でした。
今日もごちそうさまでした。
一言の勇気
私の学校では毎月の恒例行事である長縄チャレンジというものが存在します。
それは何かと言うと5分間で長縄をクラス対抗で飛び記録を測るものです。
早くもその第一回目が4月の22日にあるのです。私の担当は4年生。
今まで3年間培ったものがあるので今年度初の体育の時間に様子見程度、長縄をやってみました。
ところがどっこいクラス替えの影響もあってか10回程で躓きます。(6年生は700回とか行くみたいです。)
一向に記録は伸びず、練習もダラダラしてきたところでした。
みんなが不穏の空気の中、あるたった1人の男の子は「どんまい!」「声だそう!」と仲間を鼓舞したのです。
その後から子どもたちは激変。
記録自体はあまり変化はなかったものの、引っかかっても「大丈夫!つぎ!」とか、「みんなで『はい!』って言おうよ!」とかいつの間にか声援やアドバイスで溢れるようになりました。
彼の一言の勇気ががクラスを変えたのでした。
子どもから沢山学ぶ1日でした。
初陣
昨日始業式を終え、今日から授業がスタートしました。まずは学級活動でクラスのルールや係活動などを決めさせました。
ある女の子の話です。なかなか係が決まらず話し合いも滞って来た時、「納得するまで話そうよ」
と衝撃の一言を放ちました。
私にはこうかばつぐんだ!
そのひとことを耳にして好きなだけ話し合いをさせました。そしたらなんと折り合いをつけ、やりたかった係にはなれなかった子どもが「いいんです。私はこの係のプロになります」って言うのです。涙が出そうになりました。
ある日WBCで優勝した監督はこう言っています。
「私はなにもしてません。選手たちを信じた。それだけです」と。
そうなんです。信じること。それがいかに大変で素晴らしいことか、身をもって知ることが出来た1日でした。
来週からもっと忙しくなりますが、子どもに会うのが待ち遠しいものです。
PS.2日目にして似顔絵を書いてくれた子どもがいます。その対価にONE PIECEのキャラクターを書けと、交渉されました。
どこでそんな交渉術身につけるのだろうか?
顔合わせと入学式
昨日は緊張で全然寝れないところからスタートした今日でした。
今日は入学式と始業式を両方やるというハードモードでしたが、始業式ということで担任する子どもとの初対面の日でもありました。
全然寝れなかった緊張も、子どもの顔をみたら無くなり、最初の挨拶でこの子たちとなら1年が素晴らしくなると確信しました。いつの間にか安心に変わってました。
事務的なことを進め、今日はほんの15分くらいの顔合わせでしたが全員が「またあした」と言って帰るのを見て、自然に毎日「またあした」って言えるクラスを作りたいと思いました。
子どもとの交流も束の間、入学式です。
おめかしして可愛い小さな1年生が立派に式をしています。ちゃんとお話聞けてえらいなぁ、挨拶もしっかり出来て立派だなぁと思っていました。
その後ろには大勢の保護者の方です。
それを見た時ハッとさせられました。
この子たちのことを本気で大切に思う人が居るのです。
保護者の方を見て覚悟が決まりました。
誰1人見捨ててはならないというのはこういうことなんだと。
気が引き締まる1日でした。
開幕戦
プロ野球も開幕しましたが、私の教員生活も開幕いたしました。
緊張と不安で起きるべき時間の40分前くらいに起きました。
学校にも早く着きすぎてしまいましたが、なんと教務室に入った瞬間拍手で迎えられました。そのおかげで緊張もほぐれ良いスタートでした。
そんな矢先、教育委員会から電話です。
「あなたの学校の新任の先生が辞令伝達式に来ていません。」
そうです。私です。一生懸命時間割を作っています。
かなり焦りましたが時間を校長先生から伝えられた時間は13時半、当時の時間は11時半。
まさか遅刻しているなんてことはないと思いました。
ところが違うのです。校長先生も副校長先生も勘違いしていました。「じゅう いちじはん」を
「いちじはん」と勘違いをし、私に伝えたとの事でした。
これも終わってみれば笑い話になりました。
暖かい学校でこれから頑張れそうです。
開幕戦は負けてしまいましたので、次は勝ちたいと思います。
新年 新たな心で
皆さんお久しぶりです。今年もよろしくお願いします。
2022年も終わり、2023年がやってきて数日が経過しましたね。皆さんはどんな年末と年始を過ごしましたか?
年明けですぐのことです。初詣にに行きました。空気が澄んでいて冬の神社は凛としていてとても好きです。家族の健康や大切な人の幸福を願ってお参りを済ませ、初詣といえばおみくじなので引いてみました。
結果は大吉でした。幸先のいいスタートです。内容は、苦労は多いけど少しづつ小さい希望をもって辛抱すれば大望を成し遂げられると言うものでした。
大吉という良い結果に甘えず、辛いことがあっても耐えて努力を続ける事が大切だと教えてくれました。
今年は社会人にもなる年です。昨年は周りの方にも沢山迷惑かけて過ごしました。今年は、周りも自分も大切にしていけるよう心がけていきたいです。
皆さんの幸福も祈っています。
今年は兎年ということで、ぴょんと飛躍する年にします。